トランプ大統領も為替に介入か?
先週のまとめ
先週のドル円は17日に、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長が議会証言で「緩やかな追加利上げが望ましい」と発言したことからドル買い(ドル高)が進みました。
しかし19日、トランプ大統領が「強いドルはアメリカにとって不利」と発言したことから一転してドル売り円買い(ドル安円高)が進みました。
週の終値もおよそ1ドル=111円44銭と、先週の終値112円36銭から、92銭銭程度のドル安円高となり、この週の取引を終えています。
パウエル議長の議会証言
パウエル・アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)議長は半年に一度の議会証言で「米国経済や労働市場は引き続き強く、今後、緩やかな追加利上げが望ましい」との見解を示したことから、今年残り2回の追加利上げ(合計年4回)がより意識され、日米金利差拡大への思惑からドル買い円売り(ドル高円安)が進みました。
ドル円は一時113円16銭-17銭まで上昇し、年初来高値(1月8日の113円38銭-39銭)更新を視野に入れる展開となりました。
トランプ大統領は利上げに難色
しかし19日、トランプ大統領が「強いドルはアメリカにとって不利」と発言したことから、トランプ政権がドル高を快く思っておらず強行にドル安を推し進めるのではないかとの懸念から、ドル売り円買い(ドル安円高)が進みましたた。
翌20日にはトランプ大統領が再び「中国や欧州連合(EU)は人為的に通貨を操作している」「より強いドルはアメリカの競争力を阻害する」と発言。
さらに「トランプ大統領はFRBによる今年あと2回の利上げに対し懸念を示している」との一部報道から、ドルは各通貨に対し全面的に売られて(ドル安になって)いきました。
米中貿易戦争激化
20日、アメリカからの輸入額で劣る中国政府及び当局が、中国人民元の対ドル基準値をドル高元安方向に設定したことにより、米中貿易戦争激化への懸念が再び高まったことも、ドル売り(ドル安)材料となりました。
そのためドル円は一時111円38銭-39銭まで下落し、結局111円43銭-44銭でこの週の取引を終えました。
ドル円の推移
先週のドル円推移は、111円38銭-39銭から113円16銭-17銭でした。
ちなみに先々週のは、110円29銭-30銭から112円79銭-80銭です。
さらにその前の週は、110円27銭-28銭から111円13銭-14銭です。
参考までにその前は、109円36銭-37銭から110円93銭94銭です。
ひとつおまけに前週、109円54銭-55銭から110円75銭-76銭です。
もうひとつおまけで、109円22銭-23銭から110円89銭-90銭です。
今週の予想
今週のドル円は、アメリカ4-6月期国内総生産(GDP速報値)が市場予想を上回れば、追加利上げペース加速への思惑から再びドル高が進むと思われるものの、トランプ大統領のドル高牽制発言(ドル安志向)から、積極的なドル買い(ドル高)が進む可能性は低いと思われます。
つまりは狭い範囲でのレンジ相場と予測します。
今週の重要な米国・日本のイベントは、
07月27日の米国:4-6月期国内総生産(GDP速報値)
などが予定されています。
今週の注目はなんと言っても4-6月期国内総生産(GDP速報値)。
市場予想は前期比年率+4.2%程度。
1-3月期GDPは確報値で下方修正されたため、4-6月期は再び拡大傾向であることが示されるかが注目です。
市場予想を上回れば追加利上げペース加速への思惑から再びドル高が進むと思われるものの、下回った場合は強いアメリカ経済への期待値は低下しドル売り(ドル安)が進むと思われます。
トランプ大統領のドル高懸念
トランプ大統領はテレビ局とのインタビューで「強いドルはアメリカにとって不利」との認識を示しました。
アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)が予定している追加利上げに関しても批判的な考えを述べるなど、中央銀行の独立性に触れる発言をしています。
市場関係者の間ではドル安誘導を目的とした発言ではなく、急速に進むドル高を牽制する意図からの発言と見られているものの、真意は分かりません。
今後もドルの為替相場やFRBによる利上げ、金利に関するトランプ大統領の発言やtweetには注意が必要です。
米中貿易戦争激化
一時は過度な警戒感も後退していた米中の貿易戦争への懸念ですが、ここにきて再び高まってきています。
中国政府は、アメリカ・トランプ政権による鉄鋼・アルミ製品の輸入関税に対し報復関税を課す方針を示しており、さらには管理変動相場制を利用し、中国人民元を元安方向に設定しました。
アメリカとの貿易戦争にもあらゆる手段を使って対抗する構えを見せています。
市場も米中貿易戦争激化に対する警戒感から、再びリスク回避のドル売り円買い(ドル安円高)を想定してきています。
アメリカ4-6月期国内総生産
先のパウエルFRB議長のタカ派的な議会証言もあり、4-6月期国内総生産(GDP速報値)などの主要経済指標が市場予想を上回れば、今後の追加利上げペース加速への支援材料となりドル高が進むと思われるものの、市場予想下回ったり一致した場合は、ドル買い(ドル高)材料出尽くしでドルの上値は重くなる可能性があります。
今週のレンジ予想
今週の予想レンジは、110円00銭から113円00銭までと予想します。
ちなみに先週は、111円00銭から114円00銭という予想でした。
FX(外国為替証拠金取引)の感想
トランプ大統領、本当に凄い・賢い大統領ではないかと思えてきますね。
アメリカ経済は絶好調、労働市場も堅調、株価は最高値を更新、それでいてドルは安い…。
「ずるい」と言いたくなる見事さです。
ドル高が進めば牽制発言をして、ドルの上値を抑えることにも成功しています。
(これ口先介入・実質的な為替操作では…)
日本ではトランプ大統領は不人気と伝えられていますが、実際の支持率は底堅いです。
お金持ちは(富裕層)は株価が上がって満足ですし、労働者も失業率は下がり、給料は上がっています。
トランプ大統領個人への好き嫌いはあるでしょうが、大きな不満(失政・失点)がある訳でもない。
トランプ大統領の2期…これはあるな(笑