いったんは収まりかけたトルコ発のトルコショック(トルコリラショック)もアメリカ・トランプ大統領はもとよりムニューシン財務長官までもがトルコへの追加制裁を示唆する事態に。
トルコも裁判所がブランソン牧師の開放申請を却下するなど、泥沼化となってきています。
南アフリカランドなんかはとばっちりの通貨安に見舞われていますね。
そしてその結果リスク回避の円高に…(涙
先週のまとめ
先週のドル円は、先々週末に起きたトルコショックによるトルコリラ・南アフリカランドなどの新興国通貨安からの金融不安への高まりから、リスク回避の円買い(円高)が進みました。
しかしその後、もうひとつの懸念事項である米中貿易戦争に対し、米中首脳会談や外交交渉を通じて解消への期待が高まり、リスク回避姿勢(の円高)は後退。
結局、週の終値もおよそ1ドル=110円51銭と、先週の終値110円93銭から、42銭銭程度のドル安円高となり、この週の取引を終えています。
トルコリスクは継続
トルコのエルドアン大統領がアメリカからの輸入品に対して追加関税を課す措置を発表したこと(ただし中身を見る限り双方ともに、ほとんど影響のないセレモニー的な関税措置)。
拘束されているアメリカ国籍でトルコ在住のブランソン牧師解放に関する、アメリカ・トルコ間の協議が決裂し物別れに終わったことから、アメリカとトルコとの関係悪化を懸念してリスク回避の円買い(円高)が進みました。
米中貿易摩擦
もうひとつの懸念事項である米中貿易戦争については、今月22日-23日に米中貿易協議が行われると発表されたことから、米中貿易摩擦緩和への期待が高まり、リスク回避姿勢は後退。
中国との結びつきが強い、豪ドル・NZドルの上昇に加え、ニューヨークダウ平均も買戻しが入ったことから、再びドル買い円売り(ドル高円安)が進み、結局110円50銭-51銭でこの週の取引を終えました。
ドル円の推移
先週のドル円推移は、110円10銭-11銭から111円42銭-43銭でした。
ちなみに先々週のは、110円50線-51銭から111円52銭-53銭です。
さらにその前の週は、110円74銭-75銭から112円14銭-15銭です。
参考までにその前は、110円58銭-59銭から111円53銭-54銭です。
ひとつおまけに前週、111円38銭-39銭から113円16銭-17銭です。
もうひとつおまけで、110円29銭-30銭から112円79銭-80銭です。
今週の予想
今週のドル円は、下記の通りリスク回避姿勢に進みやすいマイナス材料は解消されず継続するものの、ドルに対してはプラス材料の方が多く、ドルは底堅く推移する見込みです。
今週の重要な米国・日本のイベントは、
08月22日の米国:連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨
08月23日-25日の米国:経済シンポジウム
などが予定されています。
どちらも注目ですね。
まずはアメリカ連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨。
9月利上げは9割以上、ほぼ10割に近い確率で見込まれているものの、12月利上げについては6割程度の確率とされています。
利上げ姿勢継続への支持が多く見込まれるなど、上記の利上げ確率が上がる内容となれば、ドル買い(ドル高)となるでしょう。
もう一つの注目イベントはアメリカ・ワイオミング州ジャクソンホールで開催されるカンザスシティ地区連銀主催の経済シンポジウム。
今年のテーマは「変化する市場構造と金融政策への影響」となっており、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長も24日に講演予定となっています。
アメリカの景気経済への認識や、今後の金利見通しに関する発言があれば、有力な手掛かり材料として為替相場に影響を与えそうです。
連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨
7月31日-8月1日開催分のアメリカ連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨が22日に公表されます。
追加利上げ継続姿勢を強く打ち出すなどタカ派的な内容となれば、年内あと2回(9月と12月)の追加利上げを含めて年4回の利上げが現実味を帯び、ドル買い円売り(ドル高円安)となると予想されます。
経済シンポジウム
カンザスシティ地区連銀主催の経済シンポジウムが、ワイオミング州ジャクソンホールで開催されます。
24日にはパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演が予定されており、金融政策について語るとされています。
アメリカ連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨に続き、このシンポジウムでも年4回の利上げを支持する内容と読み取ることができれば、日米金利差拡大への思惑からドル買い円売り(ドル高円安)がさらに進む見込みです。
米中貿易戦争
また懸念されている米中貿易戦争については、ワシントンで今週22日-23日に行われる米中貿易協議での貿易摩擦解消への動きが期待されています。
物別れに終わればドルの上値は重くなるものの、何らかの進展があればリスク回避姿勢は後退し、ドル買い円売り(ドル高円安)要因となります。
トルコショックは継続
一方、10日に起こったトルコショックについては尾を引いており、原因も解消されておらず、トルコリラや南アフリカランドなどの新興国通貨安に対する市場の警戒感も低下していません。
トルコ・エルドアン大統領とアメリカ・トランプ大統領は、拘束されているアメリカ国籍でトルコ在住のブランソン牧師解放をめぐり対立しており、協議も物別れに終わりました。
アメリカがさらなる追加制裁を課した場合、トルコ経済への影響が懸念され(実際の貿易ではアメリカ・トルコ間の貿易はそう多くはないが、為替市場・イメージ的には深刻なダメージとなるうる)、トルコリラ売り(トルコリラ安)からの新興国通貨安。
さらにリスク回避のドル売り円買い(ドル安円高)が誘発される可能性があります。
今週のレンジ予想
今週の予想レンジは、109円50銭から112円50銭までと予想します。
ちなみに先週も、109円50銭から112円50銭という予想でした。
FX(外国為替証拠金取引)の感想
トランプ大統領この前ドル高容認発言をしていましたが、やはり本音ではドル安志向なのではないでしょうか。
トランプ大統領がTwitterで呟けば、為替は大きく動きます。
ましてや今現在、アメリカ政治は11月の中間選挙を意識して動いています。
キリスト教福音派は共和党の支持基盤のひとつでもあります。
キリスト教福音派に属するブランソン牧師問題はトランプ政権にとって重要問題です。
牧師開放に向けて強い口調で呟けば、福音派の支持も得られ、リスク回避姿勢からドル安(結果円高)に。
開放でもされれば支持率は急上昇!
リスク姿勢後退でドル高も、選挙に勝てば良いのです。
解放されなくてもトルコへ強い姿勢を見せていけばトランプ大統領が目指すドル安は達成されます。
何もそん損なし、得だらけ!
しかもかかる費用はほぼ0ドルです。
トランプ大統領凄い!
スワップポイント目的ならば、上記トルコ問題が1番の関心ごとですが、アメリカドル・豪ドル・NZドル関連ならば米中貿易戦争が1番の関心ごとです。
今週中国の王受文商務次官が訪米し、米中貿易摩擦に関しての協議を行うそうです。
緩和に向かえば、ドル高・豪ドル高・NZドル高・円安方向に進むことが容易に想像されます。
この協議だけで解決はされないでしょうが、そこから閣僚級会議、そして最後に米中首脳会議で落としどころが見つかれば、最高のシナリオなんですけどね(笑
11月にも米中首脳会談が行われるという報道もありましたし期待したいです♪
今後のドル円相場は、
短期:108円~114円程度のレンジ相場
長期:105円~115円程度のレンジ相場
と予想します。
110円を挟み±5円程度でしょうか。
みなさまの資産運用投資の手助け(参考)になれば幸いです♪