米中首脳は貿易戦争を激化させないことで合意
月曜日からは新興国通貨高ドル高円安・株高だ
先週は、アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長の講演でのハト派(弱気)発言により、2019年半ばには利上げ停止の可能性があるとの思惑から、ドル売り円買い(ドル安円高)が進みました。
しかし週後半、20カ国と地域による首脳会議(G20)での米中首脳会談成功への楽観的観測から、ドル買い円売り(ドル高円安)が進みました。
その割に、この1週間の値幅も1円16銭程度。
ほとんど値が動いていません。
相変わらずのレンジ相場が続いています(笑
まあ、為替差益を狙っても良し、長期保有でスワップポイントを狙っても良しでアメリカドルもすっかり高金利通貨の仲間入りですよ♪
11月第5週のまとめ
先週は、28日に行われたパウエルFRB議長の講演で「政策金利は景気を加速も減速もさせない中立とされる水準を若干下回っている」との認識を示したことにより、2019年半ばには利上げ停止の可能性があるとの思惑から、アメリカの金利先高観が後退。
ドル売り円買い(ドル安円高)が進みました。
しかし週後半、20カ国と地域による首脳会議(G20)での米中首脳会談成功への楽観的な見方が浮上してきたことから、リスクオン(リスクを取ってでもリターンを得る)状態からのドル買い円売り(ドル高円安)が進みました。
結局ドル円では、週の終値はおよそ1ドル=113円54銭と、先週の終値112円96銭から58銭程度のドル高円安となり、この週の取引を終えています。
FOMC会合議事要旨
11月29日に発表されたアメリカ連邦公開市場委員会(FOMC、前回11月7-8日開催分)会合の議事要旨では、「ほぼ全ての参加者がフェデラルファンド(FF)金利誘導目標レンジのもう一段の引き上げが、かなり早期に妥当となる可能性が高い」との認識を示し、12月の利上げを示唆しました。
しかし一方では「一段の緩やかな利上げとの文言を削除する可能性」
「メンバーは金利に関して、柔軟なアプローチが必要であると協議」
なども記載され、2019年以降の追加利上げが当初計画から変更になる可能性が出てきたことから、各通貨に対しドル売り(ドル安)が進みました。
欧州不安・リスク
そのためドル安が続くかと思われましたが一方では、イギリスの欧州連合(EU)からの離脱協議を巡る政治不安。
イタリアの債務・財政(予算)問題や、ユーロ圏の経済成長鈍化懸念から、ポンド売りユーロ売り(ポンド安ユーロ安)は継続しており、結果ドル買い(ドル高)も入り、ドル円に関してはドル売り円買い(ドル安円高)は進みませんでした。
G20での米中首脳会談
12月1日に行われる米中首脳会談を明日に控えた11月30日、トランプ大統領が米中首脳会談に対し楽観的な発言をしたことから、米中貿易戦争激化懸念が後退。
中国政府高官も米中首脳会談での成功を期待している、との一報が伝わると、一転してリスクオン状態のドル買い円売り(ドル高円安)が進みました。
一時は113円70銭-71銭まで上昇し、結局113円53銭-54銭でこの週の取引を終えました。
ドル円の推移
先週のドル円推移は、112円87銭-88銭から114円3銭-04銭でした。
ちなみに先々週のは、112円30銭-31銭から113円21銭-22銭です。
さらにその前の週は、112円63銭-64銭から114円20銭-21銭です。
参考までにその前は、112円94銭-95銭から114円08銭-09銭です。
ひとつおまけに前週、111円77銭-78銭から113円38銭-39銭です。
もうひとつおまけで、111円37銭-38銭から112円88銭-89銭です。
12月第1週の予想
上記通り、2019年にも追加利上げが打ち止めとなる可能性が出てきたことからアメリカの金利先高観は後退しています。
しかし一方では、イギリスの欧州連合(EU)からの離脱協議を巡る政治不安やイタリアの債務・財政(予算)問題から、ポンドやユーロも弱く(結果ドル高)、方向性を選べない展開が続きそうです。
つまりは今週もレンジ相場となる見通しです(笑
今週の重要な米国・日本のイベントは、
11月30日-12月1日の20カ国首脳会議(G20)
12月03日の米国:11月ISM製造業景況指数
12月07日の米国:11月雇用統計
などが予定されています。
今週の注目は…、イベント盛りだくさんの中でもやはり11月雇用統計でしょう!
失業率:
3.7%
非農業部門雇用者数:
前月比+20.5万人
平均時給:
前年比+3.2%
との市場予想となっています。
記録的な低水準が続く失業率。
前月比20万人超が見込まれる、堅調な労働市場。
そして2カ月連続で前年比+3%超となることが予想される平均時給、と市場予想通りの結果となれば、ドル買い(ドル高)材料となるでしょう。
20カ国・地域首脳会議(G20)、米中首脳会談の結果は後述で(笑
アメリカ経済指標
確かにアメリカの追加利上げ継続方針への期待は弱まっています。
しかし今週の注目経済指標である、11月ISM製造業景況指数・11月雇用統計などが、市場予想と一致、もしくは上回れば、12月開催のアメリカ連邦公開市場委員会(FOMC、18日-19日開催)での追加利上げを後押しするだけではなく、2019年以降の追加利上げ姿勢にも影響を与えるでしょう。
アメリカ11月雇用統計は上記通り。
同じく11月のISM製造業景況指数は、市場予想58.0と、前月10月実績の57.7を上回る見通しとなっています。
市場予想と一致、もしくは上回れば、株高へとつながり、リスクオン状態のドル買いにもつながるでしょう。
今週のレンジ予想
今週の予想レンジは、112円00銭から115円00銭までと予想します。
ちなみに先週は、111円50銭から114円00銭という予想でした。
FX(外国為替証拠金取引)の感想
米中首脳会談
11月30日-12月1日で開催された20カ国と地域による首脳会議(G20)で、トランプ・アメリカ大統領と習近平・中国国家主席との米中首脳会談を行いました。
速報によると、
- 両国は持続的な交渉を行う
- 新たな関税を一時的に見送る
- 貿易戦争を激化させない
ことで合意したようです。
とりあえずアメリカ政府が来年1月1日以降に課す発表していた追加関税は課されないことが決まり、市場はリスクオンに動くでしょう。
週明けの株式市場・為替市場が楽しみですね♪
上記に記載した、アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)による追加利上げペースの減速懸念は、世界経済の成長鈍化、それに伴うアメリカ経済への影響。
株安、減税効果の薄れなど、現状のアメリカ実経済よりかは、悲観的な心理的な部分からきています。
ただサトウカズオはアメリカ経済はそこまで悲観的とは思っておらずドル円に関しては、今週も好調なアメリカ経済・堅調な労働市場、日米金利差拡大への思惑からのドル高円安と思っています。
速報通り米中首脳会談で、来年1月1日以降に新たな関税を課すこともなくなり、米中貿易戦争も緩和へと進むことが期待されることも、市場には好影響を与えるでしょう。
ますますサトウカズオの思っていた方向に進みそうです。
ただドル円に関しては、トランプ大統領がドル高を快く思っていないこと。
アメリカ政府が、対日貿易赤字解消(10日貿易収支発表)で強硬姿勢を取ってくることが容易に想像できることから、大きくドル高が進むことも無いでしょう。
と、今週もやっぱりレンジ相場と予想します(笑
(どこにでもある1ドル円為替見通しブログの1素人管理人の意見ですからね!)
(個人的にはアメリカ株価は本当に頑張れー(笑)
今後のドル円相場は、
短期:108円~115円程度のレンジ相場
長期:105円~115円程度のレンジ相場
と予想します。
110円を挟み±5円程度でしょうか。
みなさまの資産運用投資の手助け(参考)になれば幸いです♪