トランプ大統領:メキシコからの全ての輸入品に制裁関税を課す
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先週のドル円は、米中貿易戦争激化・長期化懸念。
さらにアメリカ・トランプ大統領が不法移民対策の不備を理由に、メキシコからの輸入品に対し制裁関税を課すことを発表したことを受けて、リスク回避のドル売り円買い(ドル安円高)が進みました(涙
ただ下値では円買いも根強く、下げ渋っているのも確かです。
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2019年5月27日週のまとめ
先週のドル円は、
【ネガティブ材料】
●ユーロ圏の政治・経済不安
●メキシコへの制裁関税を計画
●アメリカ、利下げ観測強まる
●ユーロ弱い⇒ドル弱い⇒円高
●米中貿易戦争激化・長期化懸念
【ポジティブ材料】
●なし
と、(しばらく考えましたが)ポジティブ材料が見つからない週でした。
結果リスク回避姿勢は、ますます強まり、週の終値もおよそ1ドル=108円29銭と、先週の終値109円31銭から1円2銭程度のドル安円高で、この週の取引を終えています。
米中貿易戦争激化・長期化懸念
アメリカと中国の貿易戦争は、進展・合意に向かうどころか、ますます激化しています。
アメリカ・トランプ大統領は「中国との貿易協定合意の準備はできていない」と発言。
一方の中国政府も、レア・アースの対米輸出規制を検討している、との政府高官の発言が飛び出すなど、米中貿易戦争の激化・長期化が現実味を帯びています。
米中貿易戦争の長期化は、米中両国の経済鈍化はもとより、世界経済への影響(世界経済の成長鈍化)も大きいことから、リスク回避姿勢も強まりドル売り円買い(ドル安円高)が進みました。
アメリカも利下げ?
アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)のクラリダ副議長は30日の講演で「見通しへの下振れリスクを認識すれば、一段と緩和的な政策も必要」との認識を示し、利下げも含めた金融緩和の検討も視野に入れていることを示唆しました。
またセントルイス連銀のブラード総裁も「近く利下げが適切になる可能性もある」と発言。
結果、アメリカの利下げ観測は強まり、長期金利低下に伴うドル売り(ドル安)が進みました。
対メキシコ制裁関税
31日トランプ大統領が、メキシコの不法移民対策に対する不備を理由に、メキシコからの輸入品に対し制裁関税(最大25%)を課すことを発表。
アメリカ経済にも悪影響が生ずるとの懸念から、ドル売り(ドル安)が進みました。
リスク回避姿勢による円買い(円高)も続いていることから、ドル円は1ドル=108円台半ばまでをも回復する力は無く、結局108円28銭-29銭でこの週の取引を終えています。
ドル円の推移
先週のドル円推移は、108円28銭-29銭から109円92銭-93銭でした。
ちなみに先々週のは、109円26銭-27銭から110円66銭-67銭です。
さらにその前の週は、109円01銭-02銭から110円18銭-19銭です。
参考までにその前は、109円46銭-47銭から110円98銭-96銭です。
ひとつおまけに前週、111円57銭-58銭から111円08銭-09銭です。
もうひとつおまけで、111円76銭-77銭から112円16銭-17銭です。
2019年6月3日週の予想
今週のドル円は、引き続き米中貿易協議の進展具合を確かめる展開となりそうです。
また不法移民に対する対メキシコ報復関税が実際に(10日から)発動されるのかも気になります。
イベントでは3日発表の公表のアメリカ5月のISM製造業景況指数。
そして7日の5月雇用統計に注目が集まります。
今週の重要なアメリカ・日本のイベントは、
06月03日のアメリカ:5月 ISM製造業景況指数
06月05日のアメリカ:5月 ADP雇用統計
05月07日のアメリカ:5月 雇用統計
などが予定されています。
注目は、5月雇用統計でしょうか。
非農業部門雇用者数は前月比で、
前回実績:+26.3万人
市場予想:+18.0万人
失業率は、
前回実績:3.6%
市場予想:3.6%
平均時給は前年比で、
前回実績:+3.2%
市場予想:+3.2%
となっています。
アメリカの雇用市場は堅調に推移しており、市場予想を上回ればもちろん、一致しても株価上昇からのドル買い(ドル高)材料となる可能性があります。
その他、オーストラリア豪準備銀行(中央銀行)、欧州中央銀行(ECB)による政策金利の発表も予定されています。
アメリカ雇用統計
現状、アメリカ経済の景気減速懸念、連邦準備制度理事会(FRB)による利下げ観測は根強く、投資家の間にも悲観的な意見が多いのが事実です。
上記、重要経済指標が市場予想を上回るなどの良好な結果となったとしても、一時的なドル買い(ドル高)要因としてはともかく、相場をドル高方向に持っていくだけの力はありません。
特に5月雇用統計での失業率は歴史的な低水準(3.6%)を維持すると見込まれているものの、米中貿易戦争の激化・長期化を警戒したリスク回避姿勢が継続する可能性の方が高そうです。
米中貿易戦争
上記通り、中国政府はレア・アースのアメリカへの輸出規制に言及しだしました。
実際に実施する可能性はかなり低いものの、双方今回の決裂の結果を相手側が原因と非難しており、米中の対立はより激化するとの見方から、リスク回避の円買い(円高)が進みやすい展開となっています。
欧州政治不安
イギリスではメイ首相の後継者問題。
欧州連合(EU)からの離脱姿勢の問題から政治的不安感も増してきています。
また欧州連合(EU)ではイタリアの財政問題から、EUとイタリアの対立から緊張が増しています。
政治的不透明感から、ユーロ安ポンド安に進みやすく、相対的にドル買い(ドル高)が見込まれます。
円全面高
しかし、同時にリスク回避として円買い(円高)も進んでおり、目先ではアメリカ長期金利の低下。
短期的にも早期利下げ観測の再燃など、ドル円取引では円買い(円高)が優勢となり、ドル安円高が進む可能性が高いです。
今週のレンジ予想
今週の予想レンジは、107円00銭から110円00銭までと予想します。
ちなみに先週は、108円00銭から111円00銭という予想でした。
(1ドル円為替見通しブログの1管理人の予想ね)
FX(外国為替証拠金取引)の感想
アメリカが中国との貿易戦争の決着がつかないうちに、不法移民対策の不備を理由に、メキシコへの制裁関税を課す方向に走ったのは驚きでした。
ただ、2016年の大統領選挙の時、
「メキシコからの不法移民がアメリカの労働者の職を奪っている」
「メキシコとの国境沿いに壁を作る、その費用にメキシコに払わせる」
と言ったことを、再度実行しているだけです。
選挙公約を守る漢、さすがはトランプ大統領…。
と感心しても仕方がないですが、このメキシコへの制裁関税についてはトランプ政権内でも2分しています。
【賛成】
トランプ大統領
ミラー大統領補佐官(政策担当)
ナバロ大統領補佐官(通商担当)
メキシコと国境を接する州
【反対】
ムニューシン財務長官
ライトハイザー通商代表部代表
メキシコと国境を接しない州
アメリカ議会(大部分の民主党と一部の共和党)
全米自動車政策評議会
株式市場
米中貿易戦争は安全保障が絡む、アメリカにとって譲れない対立(トランプ大統領よりも議会の方が強硬派)ですが、米墨摩擦は不法移民の問題(トランプ大統領が強硬派)です。
本当に実施されるかは不透明ですし、仮に実施されても短期間で撤回されると思います。
サトウカズオはメキシコペソにも多く出資しているので、これは解決して欲しいですね(苦笑
ただ市場は弱気すぎませんかね。
シカゴ連銀のエバンス総裁も「アメリカ経済は堅調で、消費も労働市場も力強い」との見解を示すとともに「市場は私がまだ見ていないデータを見ているようだ」と皮肉っています(笑
悲観論が漂っています…。
米中貿易協議は相変わらずです。
しかし突如、中国商務省が「貿易摩擦は対話によって解決するべき」とのコメントを発しました。
通常有利な方はこういうコメントを出さないでしょうから、中国側も相当厳しいのではないかと…。
サトウカズオは最終的には中国側が折れると思いますが、それでも簡単には合意しないでしょうし、長期化もするでしょう。
一部報道によると6月28日-29日の大阪でのG20サミットで米中首脳会談が行われるとの観測もあり、最終的にはリスク回避姿勢は後退すると思っています。
2020年はアメリカ大統領選挙ですし、中国国内の債務問題も酷い状況なので、米中両首脳も本音では長引かせたくはないはず。
G20サミットで合意はしないでしょうが、一時休戦に近い交渉状態に戻るのでは…と”個人的には”思っています(笑
さて6月2日現在、株価・ドル円に関連する指標として注目の恐怖指数(VIX指数)は18.71。
先週末の15.85より大きく上昇しています。
と言っても、通常は10から20の間で推移する指数ですので、まだそこまでは…と言う感じでしょうか。
アメリカ株価も現状大きく崩れていません。
結果ドルも大きく崩れない…と思います。
個人的にも特にアメリカ株価は頑張れー!
(どこにでもある1ドル円為替見通しブログの1素人管理人の意見ですからね!)
今後のドル円相場は、
短期:107円~114円程度のレンジ相場
長期:105円~115円程度のレンジ相場
と予想します。
110円を挟み±5円程度でしょうか。
みなさまの資産運用投資の手助け(参考)になれば幸いです♪