米中貿易戦争は激化
NAFTA3カ国合意に至らずも期待は継続♪
米中貿易戦争激化懸念や、NAFTA再交渉にて3カ国間の合意に達しなかったことからリスク回避の円高が進みました。
しかしそうは言っても1ドル=111円台。
ドルは本当に底堅いですよね♪
先週のまとめ
先週のドル円は、主にアメリカの政治的な事柄により、リスク回避の円買い(円高)が進む展開となったものの、同じくアメリカ4-6月期GDP改定値が悪化予想に反し前期比年率+4.2%と逆に上方修正されたことから、年内あと2回(今年合計4回)の追加利上げへの期待は高まり、値を持ち直しています。
結局、週の終値もおよそ1ドル=111円12銭と、先週の終値111円24銭から、12銭程度のドル安円高となり、この週の取引を終えています。
米中貿易戦争激化懸念
アメリカ・トランプ大統領は中国からに輸入品に対し、9月早々にも2000億ドル規模の関税を課すことを支持する発表したことで、米中貿易摩戦争への激化懸念が高まっています。
さらにアルゼンチンペソやトルコリラなどの新興国通貨下落に対する懸念も収まっていないことから、リスク回避姿勢の円買い(円高)が進みました。
しかし日米株価は上昇し、アメリカ長期金利も上昇に転じたことから、リスク回避姿勢の円買い(円高)は拡大せず、ドルも底堅く推移しました。
NAFTA再交渉
北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉に関してアメリカは、メキシコとの合意には達したものの、カナダとの協議では合意に達せず、ドル円は週の最安値となる一時110円68銭-69銭まで下落しました。
しかしライトハイザー・アメリカ通商代表部(USTR)の代表は「協議は建設的であり、進展も見られる」と発言。
3連休(9月3日は労働者の日(レーバーデー)で祝日)明けから協議を再開するとしたことから、再びドル買い円売り(ドル高円安)が進み、結局111円11銭-12銭でこの週の取引を終えました。
ドル円の推移
先週のドル円推移は、110円68銭-69銭から111円82銭-83銭でした。
ちなみに先々週のは、109円77銭-78銭から111円48銭-49銭です。
さらにその前の週は、110円10銭-11銭から111円42銭-43銭です。
参考までにその前は、110円50線-51銭から111円52銭-53銭です。
ひとつおまけに前週、110円74銭-75銭から112円14銭-15銭です。
もうひとつおまけで、110円58銭-59銭から111円53銭-54銭です。
今週の予想
今週のドル円は、上記通り米中貿易戦争激化への懸念は残るものの、アメリカとカナダのNAFTA再交渉は継続されることから、アメリカ・カナダ・メキシコの3国による新NAFTA締結への期待は継続しています。
結果ドルは底堅く推移する見込みなものの上値は重く、つまりはレンジ相場になる可能性が高いと見ます。
今週の重要な米国・日本のイベントは、
09月04日の米国:8月ISM製造業景況指数
09月07日の米国:8月雇用統計
などが予定されています。
注目は何と言ってもアメリカ8月雇用統計
市場予想では、
失業率:3.9%
(7月実績3.9%)
非農業部門雇用者数:前月比+19.1万人
(7月実績同+15.7万人)
平均時給:前年比+2.8%
(7月実績同+2.7%)
となっています。
市場予想を多少下回っても、年内あと2回(9月と12月)の利上げ期待は後退せず、ドルは底堅く推移する見込みです。
年内あと2回(年合計4回)の利上げ
パウエル・アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)議長は先々週24日のジャクソンホールでの講演で、好調なアメリカ経済・堅調な労働市場を理由に、利上げに対しては積極的(タカ派)な見解を示しました。
(ただしインフレに関しては「経済が過熱している兆候はない」と弱気(ハト派)な発言も…)
アメリカ4-6月期の国内総生産(GDP)改定値も、速報値前期比年率+4.1%、市場予想同+4.0%に対し、実績+4.2%と、まさかの上方修正となり、利上げの正当性を後押しする内容となりました。
アメリカ:利上げ、日本:現状維持、による日米金利差拡大は今後も続くとの思惑から、ドルは底堅く推移する見込みです。
新興国通貨安懸念
新興国通貨安懸念に対しては、アメリカVSトルコの関係悪化によるトルコリラ安懸念は残るものの、アルゼンチンペソに関しては、国際通貨基金(IMF)が「アルゼンチン当局と緊密に話し合いを継続している」と発表したことから、徐々に収まってきています。
IMFによる金融支援プログラムが速やかに実施されれば、トルコリラや南アフリカランドなどの他の新興国通貨への不安も後退することが見込まれています。
(結果、リスク回避姿勢による円買い(円高)も後退する見込み)
アメリカ雇用統計
7日(日本時間21:30)にはアメリカ8月の雇用統計が発表されます。
市場予想は上記通り。
9月の利上げは決定的なものの、市場では12月の利上げに対しては懐疑的な意見も少なくはなく、今後の利上げ継続姿勢を見極める有力な手がかりとなります。
市場予想を上回ればもちろん市場予想と一致した場合でも、年内あと2回の追加利上げを見込んだドル買い(ドル高)が進む見込みです。
NAFTA再交渉
NAFTA再交渉については5日からアメリカ・カナダ漢の貿易協議が再開されます。
合意への期待は継続しており、合意に達すればドルへの支援材料(ドル高)、リスク回避姿勢の後退による円売り(円安)が進むことでしょう。
今週のレンジ予想
今週の予想レンジは、110円00銭から113円00銭までと予想します。
ちなみに先週は、109円50銭から112円50銭という予想でした。
FX(外国為替証拠金取引)の感想
アルゼンチン経済の悪化によるアルゼンチンペソ下落により、アルゼンチン政府はIMFに緊急追加支援を要求。
この報道によりアルゼンチンペソだけでなく、信用の低い新興国通貨、つまりはトルコリラ・南アフリカランドも軒並み下落しました。
またそのことがリスク回避姿勢を強めたことにより円高も進みました。
さらに中国外務省が「貿易に関して中国に圧力をかけても効果はない」とアメリカとの対立を煽る発言をしたことから、米中貿易戦争激化への懸念が高まりドル売り円買い(ドル安円高)が進みました。
結果、1ドル=111円の壁を割って110円台に突入したのですが…。
あっさり111円台を回復しています(笑
円高円高って言ってますけど、110円を割る悪材料ってどれくらいの悪材料?って言うくらい本当にドル円は底堅いで♪
またアメリカ株価は絶好調で、先週もS&P500指数とナスダック総合指数は揃って史上最高値を更新しました。
S&P500指数は週末値を下げましたが、ナスダック総合指数は好調を維持しています。
新型iPhoneへの期待からアップルさんは大幅高!
アマゾンも時価総額1兆ドル(110兆円)間近に迫っています。
15年くらい前の1ドル=80円の時のこの2社の株を全力買いしていたらどうなっていたのだろう…。
話が逸れましたが(笑)、まあアメリカ株価が大崩れしないうちは、ドルも大崩れすることは無いでしょう♪
今後のドル円相場は、
短期:108円~114円程度のレンジ相場
長期:105円~115円程度のレンジ相場
と予想します。
110円を挟み±5円程度でしょうか。
みなさまの資産運用投資の手助け(参考)になれば幸いです♪