欧州・中国に景気減速の兆し
欧州・中国の経済指標が弱く、指標上からも経済成長鈍化・景気減速の兆しが見て取れます。
一方、経済成長鈍化…と言われているアメリカからは、そんな兆しは見えませんね(笑
強い!さすがアメリカ!ドルも強い!
と言っても、この1週間の値幅も1円47銭程度。
いつもよりも値が動いていません。
相変わらずのレンジ相場が続いています。
まあ、為替差益を狙っても良し、長期保有でスワップポイントを狙っても良しでアメリカドルもすっかり高金利通貨の仲間入りですよ♪
2018年12月10日週のまとめ
先週は、世界的な株安からリスク回避の円買い(円高)が進みましたが、欧州の政治不安を背景にドルも買われており(ドル高)、ドル高円高が進んだ週となりました。
結局ドル円では、週の終値はおよそ1ドル=113円39銭と、先週の終値112円67銭から72銭程度のドル高円となり、この週の取引を終えています。
米中関係悪化懸念は後退
カナダで逮捕・拘束されていた中国の通信機器大手ファーウェイ(華為技術)の孟晩舟・最高財務責任者(CFO)が保釈されたこと。
さらにアメリカ・トランプ大統領が、中国・習国家主席と会談する用意があるとの認識を示したことから、米中関係への悪化懸念は後退し、リスク回避の円買い(円高)も一服しました。
アメリカ・インフレ指数
18-19日に開催されるアメリカ連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げを占う意味で注目されていたアメリカ11月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比で+2.2%。
同消費者物価コア指数(CPIコア指数)も前年同月比で+2.2%と、共に市場予想と一致したことから、12月の追加利上げは決定的との見方が広がり、ドル買い(ドル高)が進みました。
欧州中国経済減速懸念
しかし14日、中国の11月小売売上高が前年同月比+8.1%と市場予想を下回ったこと。
また同じく中国11月の鉱工業生産も前年同月比+5.4%と、こちらも市場予想を下回ったことから中国経済の鈍化懸念が再燃。
さらに欧州でも製造業PMI、サービス部門PMIも市場予想を下回ったことから、前日のドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁が定例会見で経済成長やインフレ見通しを下降修正したことも併せて、欧州経済の減速への懸念が再燃し、上記中国経済の鈍化懸念と共に、世界経済の減速により世界的な株安展開となってしまいました。
為替相場でもリスク回避のドル売り円買い(ドル安円高)が進み、結局113円38-39銭でこの週の取引を終えました。
ドル円の推移
先週のドル円推移は、112円23銭-24銭から113円70銭-71銭でした。
ちなみに先々週のは、112円23銭-24銭から113円84銭-85銭です。
さらにその前の週は、112円87銭-88銭から114円3銭-04銭です。
参考までにその前は、112円30銭-31銭から113円21銭-22銭です。
ひとつおまけに前週、112円63銭-64銭から114円20銭-21銭です。
もうひとつおまけで、112円94銭-95銭から114円08銭-09銭です。
2018年12月17日週の予想
今年最後のアメリカ連邦公開市場委員会(FOMC、18-19日開催)で、今年4回目の政策金利引き上げは確実視されています。
しかし来年以降の追加利上げ見通しは不確定さを増しており、利上げペースの鈍化も予想(年3回⇒年?回)されています。
つまりは今週はアメリカ連邦公開市場委員会(FOMC)次第の相場展開となる見通しです(笑
今週の重要な米国・日本のイベントは、
12月19日の米国:連邦公開市場委員会(FOMC) 政策金利発表
12月20日の日本:日銀金融政策決定会合 政策金利発表
などが予定されています。
今週の注目は…、やはりアメリカ連邦公開市場委員会(FOMC)でしょう!
上記通り、政策金利は現行の2.00-2.25%から2.25-2.50%に0.25%引き上げられることが確実視されています
しかし会合終了後の声明文や経済見通し、その後のパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長の会見で、来年以降の利上げペースについて鈍化となれば、ドルは思ったほど上昇しない可能性があります。
ちなみに今週は、
12月20日の英国:イングランド銀行(BOE) 政策金利発表
個人的には
12月20日のメキシコ:メキシコ中央銀行 政策金利発表
も気になります(笑
連邦公開市場委員会(FOMC)
11月の7-8日で行われた会合では、好調なアメリカ経済・堅調な雇用情勢から、追加利上げペースの維持が確認されていました。
(2018年にあと1回、2019年は年3回を予定していた)
しかしその後、クラリダFRB副議長が中立金利(景気を刺激も抑制もしない水準の金利)に「ずっと近づいた」と発言するなど、来年2019年や2020年の利上げペースを緩めるとの思惑が広がっており、金利先高観によるドル買い(ドル高)は後退するかもしれません。
欧州リスク
欧州リスクは後退して(先延ばしとなって)います。
イギリスによる欧州連合(EU)からの離脱協定への議会承認は否決の可能性が高いことから延期に。
イタリアの予算案については、財政赤字の国内総生産(GDP)比で2.4%から2.04%に引き下げたことから、ひとまず過度な警戒感は後退しています。
しかし政治リスクは後退した(先延ばしとなった)ものの、欧州経済の鈍化懸念は現実味を帯びてきており、ユーロの上値は重いまま(結果ドルが上昇しやすい)となる可能性が高いです。
米中関係改善への期待
ただ、米中関係は関係改善に向かいつつあります。
今までは米中貿易戦争激化・長期化による世界経済の減速懸念からの株安、リスク回避のドル買い円買い(円高)が進んでいましたが、今後は米中関係改善への期待から株高ドル高円安に向かう可能性があります。
結果的に、中国との関係が深い豪ドル・NZドルなどのオセアニア通貨や、トルコリラやメキシコペソなどの新興国通貨高に向かうことも予想されます。
今週のレンジ予想
今週の予想レンジは、112円00銭から115円00銭までと予想します。
ちなみに先週は、111円00銭から114円00銭という予想でした。
FX(外国為替証拠金取引)の感想
現状世界的な株安展開が続いていますが、米中関係は改善の傾向が見られます。
まず中国はアメリカの大豆を200万トンも購入し、さらに年内にもう800万トンから1,000万トンを追加購入すると発表しました。
またアメリカからの輸入自動車への関税も従来の40%から15%へ引き下げることも発表しています。
中国側はアメリカに対し、かなりの譲歩をしている模様です。
さらに一部報道では80兆円規模の超大型減税も検討と、先のG20での米中首脳会談で約束した90日間の期限(2019年2月28日)内までにアメリカとの合意を急ぐ姿勢を鮮明にしています。
前々から中国の景気減速が言われていましたが、「その経済指標、本当にあっているの?」とまで言われていた経済指標までも市場予想を下回る事態になっています。
とにかくアメリカとの関係改善を急いで制裁を回避し、中国経済を立て直す方向に入ったものと思われます。
(取り敢えずトランプ大統領に任期中は大人しくしておいて、その間に力を貯めて、任期後にやり返す作戦?)
米中関係の改善がはっきりと形になって表れれば、株高ドル高となっていくことでしょう。
株価…上がって欲しいなぁ…。
欧州リスクもイタリアの財政・予算問題は落ち着きましたが、イギリスの欧州連合(EU)からの離脱・政治の不透明感は続きます。
ドル高・株高を抑制する原因となっていることは分かりますが、まあ今さら始まったことではなく、前々から分かっていたことですから、そこまで重大なリスクにはならないでしょう。
(米中関係の方がよほど重要)
株価…株価を何とかして欲しいです(涙
さて個人的な話が続きましたが(笑)、今週のドル円為替見通し・予想は連邦公開市場委員会(FOMC)次第ではありますが、
・利上げ確実
・来年以降の追加利上げ見通しは鈍化
と、ほぼ市場通りになると個人的にも思っています。
一時的に上下に激しく動くかもしれませんが、徐々に収束していくことでしょう。
上昇トレンド・下降トレンドを形成する力は無いと思います。
つまり今週もやっぱりレンジ相場と予想します(笑
(どこにでもある1ドル円為替見通しブログの1素人管理人の意見ですからね!)
(個人的にはアメリカ株価は本当に頑張れー(笑)
今後のドル円相場は、
短期:108円~115円程度のレンジ相場
長期:105円~115円程度のレンジ相場
と予想します。
110円を挟み±5円程度でしょうか。
みなさまの資産運用投資の手助け(参考)になれば幸いです♪